スカのテンポが下がって、ロックステディになり、それがレゲエに発展、ということは前回書いた。
この世にスカとロックステディしかなかったら、両者を見分けるのは簡単。速いのがスカで、遅いのがロックステディ。
ところがレゲエの登場で話は複雑になってくる。
70年代のいわゆるルーツレゲエと呼ばれているものは、概ねロックステディよりさらにテンポが遅くなっている。では、遅いものをレゲエとすればいいかと言えば、決してそうではない。
結論から言えば、レゲエのテンポは多種多様。スカ並みのものもあれば、ロックステディよりも遅いものもある。
つまり、テンポでの判別は不可能。
では、視点を変えよう。
まず、以下の場合、かなりの確率でスカと認定。
- 「ッチキ、ッチキ、ッチキ、ッチキ」というヴォーカルが入る。
- ドラムに「シャンシャカンカカン、シャンシャカンカカン」というオープンハットが入る。
- サックス、ピアノ、ギターのうち2種以上が同時に一度たりとも休まず、「ンチャ、ンチャ」と拍の裏にリズムを入れている。
- 「ンチャ、ンチャ」がサックスである。
- ベースラインが拍の表で4分音符。
そして、以下の場合、かなりの確率でスカではないと認定(ロックステディかレゲエ)。
- 「ンチャ、ンチャ」が抜けることがある。
1拍目と3拍目の裏だけに入っているとか、4拍目の裏だけとか。- ベースラインが細かい。
だいたい以上のことを基準にすれば、アーリーレゲエとスカの見分けはつくはず。
ビミョーな場合、テンポの取り方を半分にしてみて、そっちの方がしっくり来たらレゲエ、という裏技もある。
あとは、これに年代でウラをとれば、ほぼ分類できるはず。
さあ、これでレコード屋でバイトできるぞ!