【質問】 レゲエとスカってどう違うの?
スカというのはそもそもジャマイカのミュージシャン達によって作り出されたもの。
ジャズやリズム&ブルースといったアメリカの音楽、それからカリプソやメントといった地元カリブの音楽、こういった種々雑多な音楽をプレイするミュージシャン達が、彼らなりにジャズ/ブルースを演奏するうちに、あの「ンチャ、ンチャ」という裏拍を強調するプレイスタイルが産まれたらしい。
例えば、50年代のジャンプ・ブルースをスカと並べて聴いてみてもさほど違和感は無い。なぜなら「もともとは同じ」だから。
ジャマイカの独立が62年。このお祭りムードと、スカの気分が一致。
バックビートはより強調され、曲は勢いを増し、スカの黄金期に突入。現在言われる“オリジナルスカ”とは62年~66年のもの。
この時期は猫も杓子もスカだったわけで、若き日のボブ・マーレー、ジミー・クリフ[6]、そしてメイタルズもみんなスカをやっていた。
そして、その大概を演奏していたバック・バンドがスカタライツとなる。
次に流行したのがロックステディ。
スカの速いビートに飽きたのか、ソウルの影響を受けたのか、はたまた一説には66年の夏がとんでもない猛暑で、スカのような速いビートではとても踊れないから・・・などなど諸説あるが、ともかく、ビートが緩くなったのである!
ここで音楽的包容力が生まれた。
テンポが遅くなったことにより、ベースラインは8分音符、16分音符を刻むことが可能になり、ギターは全ての拍の裏に「ンチャカ」を入れるのではなく、1拍目と3拍目だけにしてみよう、といった考える余裕ができた!
(ギターについては半分冗談の想像)
そして登場したのがレゲエ。
乱暴に区切れば62年からがスカで、66年からがロックステディ。
68年からはレゲエ(メイタルズの「DO THE REGGAY[9]」という曲によって名前が広まる)ということになる。
じゃあロックステディとレゲエの違いって何? と問われると話が長くなってしまうので、それはまた別の項で。
冒頭の問いに対する一つの答えとして、スカとレゲエはまず年代が違うということ。
髪型に注目してみるとわかりやすかったりもする。
スカの時代に短かった髪が伸びてドレッドになって行く。
ボブ・マーレーもスカ時代はオーティス・レディングのような髪型[13]だったのが、初期レゲエ時代にはアフロ状態[14]になり、72年の世界デビュー時にはドレッド[15](まだ短いけど)になっている。
ちなみにメイタルズも上記年代に合わせて、音楽のスタイルを変えている。髪型はあまり変わらないが。
ただロックステディ期にはリーダーのトゥーツが刑務所にいたのでロックステディ作品はほとんどない。
その後、レゲエ期の作品がいわゆるレゲエっぽくないのは、メンフィスソウルの影響を強く受け過ぎたから。同時にスカっぽいテイストも残した作品が多いので永遠のスカ・バンドっぽいイメージもある。でもレゲエ期のメイタルズの作品は、ほぼスカではなくアーリーレゲエの範疇に入ると言える。
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